マリアカラスの特徴と魅力! ハイブリッド・ティー系で濃いピンクが美しいバラ 通販で購入出来るマリアカラスの苗と育て方

Maria Callas

マリアカラス

マリアカラス

@fleur.finer
#バラ #マリアカラス #マリアカラス🌹 #mariacallas #mariacallas🌹 #薔薇のある暮らし #ピンクの花 #ピンクの花が好き #roses #garden #gardenflowers #gardenroses #flowers #flowerslovers #花が好きな人と繋がりたい

出典 Instagram

マリアカラスの特徴と魅力

マリアカラスはバラ科バラ属の落葉低木のバラの品種。1965年にフランスのマリールイズ・メイルランドによって作出されました。ハイブリットティー系の四季咲き、半剣弁高芯咲き、品種。樹形は通常の木立性で120cm〜140cmほどの樹高。病気にもそこそこ強いが、薬剤散布は必要。

赤というか、濃いピンクで、鮮やかな色合い。花びらを見ると少しグラデーションしています。マリアカラスはオペラ歌手にちなんだ命名。

ハイブリッドティー系とは?

ハイブリッドティー(HT)はバラ科バラの品種群の名前。落葉性低木。樹形は枝が上に伸びる直立性、斜め上に伸びる横張り性と、その中間の半横張り・半直立性があります。

1867年にハイブリッド・パーペクチャアル系(19世紀に代表的な品種群で一季咲)とティーローズ(紅茶の香がする品種群で四季咲き)を配合させて生まれた品種「ラ・フランス」が作られ、この性質に近い品種がこれ以降、作られたため「ハイブリッド」「ティー」と呼ばれています。ブッシュ樹形で剣弁、高芯咲きで大輪、1枝に一輪咲き、四季咲きが多いが、いろんな種類がある。切り花にされることが多く、花屋で見る「バラの切り花」をイメージしたのが大抵はハイブリッドティーです。樹高40cmから2m

出典 みんなのガーデニング花図鑑

マリア・カラス(HT) Maria Callas(HT) とても豪華で美しバラです。今朝開きました。 マリア カラスの中ではプッチーニ のトスカ「歌に生き恋に生き」が一番好きです。 Gorgeous and breathtaking. Came into bloom this morning. I like Vissi d’arte, La Tosca the best in Callas. #庭づくり #バラと庭 #バラのある暮らし #ガーデニング #ガーデニングライフ #小さな庭 #マリアカラスバラ #カラストスカ #gardening #gardenaddict #gardenideas #lifewithgarden #smallgarden #raw_gardening_ #blackspotdisease #mygardenthismonth #mariacallasrose #callaslatosca #mariacallas

出典 Instagram

マリアカラス ハイブリッドティー系バラの育て方

水やりの基礎

葉っぱに水をかけないようにし、土にそっと注ぐ。泥はねすると病気になるので、マルチングをして、その上でそっと土に注ぐようにする。
●ハダニ予防のためには葉っぱに霧吹きで水を掛ける。そのときは葉っぱの裏にも水がかかるようにする。
●開花中は水やりが多いと花が大きく咲きやすい。ただし品種によっては乾かし気味にした方が色合いが綺麗に出るものもある。

12月から2月の水やり

庭植えにしたら冬の水やりはほぼ不要。休眠していて水をあまり必要としていません。ただし植え付け後であれば植え付け後一週間に雨が降らなければ水やりをします。

鉢植えの場合は土が乾いていてから数日経って水をやります。週に一回か、10日に一回が目安です。水やりは鉢底から水が出てくるくらいまでしっかりとやります。土が凍るくらい寒い時期は水やりは午前中にやります。夕方にやると水が土中に残って明け方に凍って根を傷めます。

3月から11月の水やり

庭植えの場合も3月以降は水やりをする。水が不足すると表面状は…葉っぱがしおれたりしていなくても…花が開花しなかったり、花が落ちたりするので水切れにはしないようにする。また、元肥・お礼肥をやっても水をやらないと染み込まず、バラが吸収しないので、特にお礼肥を施肥した肥料の効きのためにも水やりは意図的にする。

鉢植えの場合は土が乾いてから水やりをする。バラは午前10時から3時くらいまでが光合成が活発に行われるのでこの時期に水が切れないようにします。

鉢植えは乾燥しやすく、土が乾燥すると水が染み込みにくくなるので、時間をかけて水をやる。もしくは土を割り箸などで深さ2cmほどのザクザク穴を開けてから水をやる。

元肥(寒肥)

元肥(寒肥)は一年の基本となる肥料で、5月の開花のための肥料です。12月から2月に肥料をやります。化成肥料(バラ専用肥料など)なら効果が一ヶ月くらいで出るので2月(3月からバラの芽が動き始めるため)。有機肥料(油かすなど)なら効果が出るのが遅いので12月から1月にやります。バラ専用肥料を説明書きどうりにやるか、油かす200g(窒素)・骨粉200g(リン)・熔成リン肥200g(リン+MgやMnなどの微量要素)・草木灰(カリ)200gをやります。

庭植えで元肥をやる手順

株から40cm離れたところに肥料をやる深さ10cmの溝を株の周囲を取り囲むように掘ります。40cmは根に肥料をあてないため。根に当たると肥料焼けします。肥料を吸収する根は深さ25cmまでなので深く掘っても意味はないです。また溝には腐葉土か堆肥を1株あたり10リットルほど混ぜ込んで埋めておきます。

マルチング

元肥をやり終えたら、ワラかピートモスかバークなどでマルチングします。腐葉土はコガネムシの幼虫が住みやすいのでマルチングしない方がいい。マルチングは水の蒸発を防ぎ、水切れ防止と、黒星病の予防です。

黒星病は泥ハネの泥から感染する。マルチングすることでかなり予防できる。

鉢植えの元肥

鉢植えは肥料を地表におきます。鉢の縁の近くに専用肥料を置くか、油かす・骨粉・熔成リン肥を混ぜたものを軽く混ぜます。

お礼肥(5月から9月)

一番花が終わったら、花で消費した栄養を補給し次の花を咲かせるための肥料をやります。これをお礼肥といいます。緩効性化成肥料を1株当たり100gから200gほどを、株の周囲40cmに深さ5cmの円形の溝を堀り、よく混ぜて埋めます。この肥料が切れないように4月から9月の間は肥料を継続してやります。

粘土質の土だと肥料は長くとどまり、水捌けが良いと肥料は流れやすい。特に水やりが多くなる7月から8月は肥料が切れやすいので注意する。9月10月の開花が最後ですので、その頃には肥料が残らないようにする。
●肥料は有機肥料(油かす+骨粉)などを定期的にやりつつ、補助的に化成肥料・液体肥料を使うといい。このあたりはそれぞれによって違う。
●新苗は開花しない(開花させない)が、5月から9月まで肥料を継続してやる。
●一番花が開花している時は追肥はしない方がいい。二番花以降は影響はないので気にしない。
●窒素過多になると病害虫が増えやすい。追肥が要因だと思われたら追肥は控える。
●液体肥料なら、1000倍を1株あたり2リットルから3リットルやる。早くよく効くが、金がかかる。バラは肥料喰い(=肥料をたくさん必要とする)ので有機肥料・固形肥料の方が安上がりで一般的。

植え付け・植えかえ

大苗の植え付けは12月から2月。すでに植えている鉢植えの植え替えも土を落としたり、根をいじるのであれば12月から2月。土を落とさないで根を崩さないでの植え付けや植え替え(=鉢増)であれば夏(7月8月)以外であれば可能です。

管理場所

1日5時間以上、日が当たる場所で管理します。

剪定・切り戻し

冬剪定(2月)

冬剪定の時期

12月から2月に冬剪定を行う。2月には芽が膨らんでいるため、剪定がしやすいので2月がよい。芽が成長しはじめる3月までに行う(地域によっては1月までに剪定を行う)。

冬剪定の目的

ハイブリッドティー系は1枝に花を一つ咲かせるのですが、切り戻しが甘いと枝が増えて花が増えるのですが花が小さくなって見栄えが悪くなってしまいます。しっかりと切り戻しましょう。

冬剪定の手順

冬剪定の手順は冬剪定を参考にしてください。剪定した場所から50cmから70cmほど高い位置で花が咲きます。花が自分の身長と同じか下で開花するようにすると綺麗に見えます。

剪定をすると株全体が元の樹高の半分から三分の一の高さになります。

その他の作業

石灰硫黄合剤を散布する。マルチングする。

芽かき(3月4月)

3月4月に芽が動き始めるが、元気の良い枝からは一本で二つか三つの芽が動き始めることがある。このまま伸ばすと栄養が分散され、どの枝も細く貧弱になってしまう。そこで元気の良い芽を一つだけ残してあとは芽を手で取り除く。

また株の下の方でどー考えても日光が当たらないような場所に出た枝や、葉っぱしか出ない新芽は4月に落としてしまう。放置していると風通しが悪くなるので取り除く。

ブラインド処理(4月)

4月にはツボミがつくが、枝の中には葉っぱが生えて伸びているのにツボミが出てこないものがある。この枝は放置していると細い枝が3本ほど出て伸びるだけで、花が咲かない。この枝を「ブラインド」と呼びます。この枝は5枚葉を3本か4本ほど切り戻すことで、その下から脇芽が出てツボミがつきます。

ツボミの間引き(4月)

ハイブリッドティーは房咲きさせず、1枝で1輪咲かせるようにします。ツボミは何個かまとまって出てくる(大体3個)ので、中央の大きな元気のいいツボミだけを残してあとは取り除きます。

枯れ枝の切り戻し(3月4月)

大苗や剪定した枝の切り口が変色して枯れ込むことがある。枯れ込んだ部分の新芽も当然枯れてしまっているので、変色した部分から下の健康的な新芽が残っているところまで切り戻す。変色していなくても、3月4月になっても動きのない枝は健康な新芽のところまで切り戻すようにする。

花ガラ剪定(5月から10月)

開花が終わったら、花が咲いている枝の五枚葉を2枚か3枚を切り戻します(三枚葉は無視)。その下の五枚葉の根元から新芽(新枝)が出てきます。2枚か3枚を切り戻すと枝が短くなりすぎる場合は一番上の五枚葉を残すように剪定します。

シュートの剪定(5月〜11月)

シュートの剪定
5月に株元から勢いのよい枝が伸びてきます。この枝が40cmくらいになって、先にツボミがついたら先端を数センチほど切り戻します。剪定しないとニョキニョキ伸びるばかりで太くならず、後々困ります。

10月11月に出るシュートはうまく生育しないので根本から切ってしまいます。

サイドシュート(サッカー)の剪定

株元から出てくるシュートとは別に、枝の途中から突然、ニョキニョキと勢いのいい新枝が伸びてくることがあります。サイドシュートとかサッカーと呼びます。サイドシュートもシュート同様に先端を切り戻して脇枝を出させて開花させます。

夏剪定(8月〜9月)

高温時期はハイブリッドティーは生育が悪くなり株が弱り、花も減りますし、開花しても花もちが悪くなります。夏剪定はこの時期に花をリセットして涼しくなる(18度から22度)になる9月10月に開花させ、色の良く、健康的で花持ちの良い花を咲かせることで、多くの花を秋に咲かせるための剪定です。冬剪定のようなリセットするためのものじゃないので、切り戻ししつつも葉っぱは出来るだけ減らさないようにします。

●秋はバラの季節…じゃなくて「夏剪定して秋にバラを咲かせてるだけ」です。

夏剪定の手順

二番花が咲いた枝か三番花が咲いた枝のどちらかの途中まで切り戻します。切ったすぐ下の葉っぱの根元から新芽が出て花が咲くので「元気の良い」葉っぱの上で切って残すようにします。1cm以上の太さの枝で切ると開花が遅くなり、開花しても長く鑑賞できなくなるので、二番花が咲いた枝の太さが1cm以上なら三番花の枝を切り戻します。枝は7mm以上じゃないと花が小さくて意味がないので、7mmから1cm以下の枝で切るようにします。

上記の枝に当てはまらない…今年伸びたけど開花していない枝は五枚葉を四枚残して切り戻します。放置していると小さな花を咲かせるで切り戻しましょう。

シュートは5月6月あたりに先を切り戻しているので、脇枝が出ているはずです。その脇枝には花が咲いていない場合も、その枝の半分くらいの五枚葉の少し上で切って新芽を出させてやります。

●夏剪定は樹形を整えるものではないです。樹形は冬剪定でバッサリと綺麗にまとめて仕舞えば良いです。
●秋のツボミも間引きするといいが、秋はツボミが少なめなのでしなくてもいい。

出典 みんなのガーデニング花図鑑

マリアカラス

Maria Callas (HT) Maria Callas gorgeous and dignified, having typical characteristics of hybrid tea roses. Very strong and you can enjoy its beauty till autumn. マリア・カラス 豪華な大輪の花を咲かせる。強健種で一年を通して楽しむことができる。 #庭づくり #バラと庭 #バラのある暮らし #ガーデニング #ガーデニングライフ #マリアカラスバラ #gardening #gardenaddict #gardenideas #lifewithgarden #smallgarden #mariacallasrose #raw_gardening_ #mygardenthismonth

出典 Instagram

通販で購入出来るマリアカラスの苗

バラのこと、もっと知りたい!

バラの歴史

バラのルーツ

アジアや欧米などに自生分布しているバラの近縁種(バラ科、バラ属の植物)は200種にも及ぶとみられています。発掘された化石の分析から、 野生のバラは3千万年も前にすでに北半球の各地に分布していたことが分かっています。それよりずっと前にバラの祖先種は世界のどこかで生まれ、 分化しながら各地に伝わっていったのです。

バラの生まれ故郷はいったい何処なのでしょうか。真実はまだ誰にも分かっておりませんが、近縁野生種の分布や遺伝的な変異の状況から、 専門家はヒマラヤの麓や渓谷あたりが、バラの発祥地としてもっとも可能性が高いとみています。

古代のバラ

バラは伝説やロマンに彩られた究極の植物であるといわれていますが、単に優れた園芸植物というだけでなく、文芸、美術、さらに香料や薬の分野でもきわだった役割を演じてきました。

クレタ島の壁画(3000-1100BC),バビロニアの叙事詩(2000BC),ギリシャの史家ヘロドトスの著書「歴史(400BC)」,哲学者テオフラストスの植物誌(300BC)など、 バラは紀元前にもいろいろなところに登場してきました。クレオパトラや皇帝ネロも沢山の花びらを宮殿の床に敷きつめたり、ネットにいれて天井から吊したり、 あるいはお風呂に浮かべて楽しむなど、贅沢な使い方をしたことが知られています。

ちなみに、クレオパトラがアントニウスを迎えたときには宮殿全体をバラで飾り、廊下にはバラの花びらを20cmほど敷きつめたと言われています。高価なローズオイルも、 支配者の象徴としてふんだんに愛用したようです。

政治との関わりではイギリスのバラ戦争が有名です。白バラを徽章とするヨーク家と、紅バラのランカスター家が王座をめぐって激しく対立したのですが、 結局ランカスター派のヘンリー(七世)が王位の座につき上り、ヨーク家のエリザベスを妃とし、シンボルも紅バラと白のTutorローズを用いて国の統一をしました。

バラの栽培史については紀元前500年頃に、古代中国の宮殿(周王朝)の庭で栽培されたのがもっとも古い記録だとされています。ギリシャでも紀元前後に栽培されはじめたらしいのですが、 一般化してきたのは3世紀のローマ帝国時代以降といわれています。

ギリシャの女流詩人、Sapphoがバラは「花の女王」であると讃えましたが、それ以来すでに2千年以上も経っています。長い歴史の中でバラの魅力は衰えるどころか益々深まってきているのです。

伝播と進化

ローマ帝国の崩壊とともにバラの栄華も一時は衰えましたが、やがて7世紀中期にサラセン帝国の隆盛をみるに及んで、バラは南欧スペインまで到達することになりました。 バラの東西交流に果たした十字軍の役割も極めて大きかったといわれています。十字軍は11世紀から13世紀の間に7回も遠征したのですが、東方からの帰りにバラの新種を西ヨーロッパに持ち帰って広めたのです。

バラが芸術品のモチーフとして頻繁に登場するようになったのは14世紀以降、イタリアのルネッサンス期から後のことで、この頃からヨーロッパにおけるバラの栽培も盛んになってきました。 バラの発展に偉大な貢献を果たしたのは、ナポレオンの第一妃ジョセフィーヌ(Josefine)です。彼女は1802年にマルメゾン離宮に広大なバラ園を作り、そこに世界から集めた珍しいバラを栽培しました。 花だけでなく樹全体を鑑賞の対象にしました。ジョセフィーヌは1814年に亡くなりましたが、彼女のコレクションは250種類にも達していました。とても幸運なことですが、 この大コレクションの多くは図譜として私たちに残されているのです。さらに、特筆すべきことですが、このバラ園で働いていたA.デュポンが世界で初めて人工交雑によって新しいバラを作出しました。 近縁種間の交雑によって花形、色、香り、四季咲き性などバラの遺伝的な性質に革命的な変化が生じましたので、この時期よりも前のバラを「オールドローズ」、 それ以後のバラを「モダンローズ」と称することになりました。

香料や薬用など

インド北部のカシミヤ王国で発見されたといわれているバラの精(Attar of roses)は、香水や死者への塗油(Anoint)として広く用いられていました。 しかし、古代中国ではローズオイルを使用できるのは支配層に限られており、フランスでも一般の人たちがローズオイルを使えたのは、結婚式の時ぐらいだったといわれています。

バラの香気成分を分析すると600種類以上もあるそうですが、成分バランスや量によって甘い香りや優雅な香りなど奥深い芳香が生まれます。ローズオイルはどの時代でも極めて高価で、 同じ重さで比較すると金の6倍以上もしたそうです。ローズオイルの主産国はブルガリアで、輸出先は主にフランスです。

19世紀に用いられた植物性の薬にはバラの成分を含んだものが多かったといわれています。病気の治癒に効果のある成分は主にバラ、とくに薬用バラ(Apothecary Rose)として知られていた Rosa gallicaの花びらに多く含まれていました。バラの花びらを原料として作られた薬は胃の消化薬として広く用いられました。また、ダマスクバラ(Damask Rose、Rosa damascena) のシロップは下剤として、バラの花びらを酢に漬けた「バラ酢」は鎮静・頭痛薬として用いられました。バラの実から取り出した果肉を砂糖と混合・調整したものも慢性病に効く薬として売られていました。 薬用としての需要は激減しましたが、バラの実はお茶や砂糖漬にして今でもまだかなりの量が消費されており、ビタミンCの供給源になっています。実だけでなく花も食用になります。 このような用途にはRosa rugosa やR.caninaが適していると言われています。

バラの原種

現代のバラ品種を成立させた祖先種をたどって行きますと、ノイバラ、ハマナス、庚申バラなど7、8種の野生バラにたどり着きます。このような野生種を一般にバラの「原種」と呼んでいますが、 それらの大部分はRosa gallicaや、その近縁種を含むGallicanaeと呼ばれている植物グループに属しています。これらの野生植物も美しい花をつける魅力的な植物ですが、 残念なことにそれらの真価はほとんど認められていません。たとえば、Rosa eglanteriaは芳醇な香りのするかわいい実をつけますし、Rosa virginianaは花、実、葉のいずれも豊かな色彩に富んでいて、 四季を通じて楽しむことができます。今日広く栽培されているバラの品種は次に列記しました植物のうち2種以上の植物を遺伝資源として交雑・育成されたものです。

近代のバラ

19世紀以前に中国で育成・栽培されていたRosa chinensisとR.giganteaとの交雑種がヨーロッパに導入され、Bourbon roseとの交雑が試みられました。 その結果、Hybrid perpetual系とTea系のバラが生まれ、さらにこの両系間の交雑からHybrid tea(HT)系が育成されました。 1867年に発表されたギョー氏作出の「ラ・フランセ」が四季咲き大輪バラ(HT系)のナンバーワンとされています。

それまでのBourbon系のバラは晩春から夏にかけて年一回開花するだけでしたが、中国種から四季咲きの性質や多様な花色、つる性、耐寒性などの諸性質が導入されて近代のバラが出現したのです。 さらに日本原産のノイバラ(R.multiflora)とR.chinensisとの交雑種であるPolyantha系にHT系を交雑して育成したのが、 中輪多花性のFloribunda(FL)です。花粉親の分からない自然実生から選抜・育成された場合が多かったので、系統関係は必ずしも判然としませんが、 東洋種と西洋種との交雑が繰り返されて遺伝変異に富む魅力的なモダンローズが数多く発表されました。

最近、世界に新風を巻き起こしているバラに「イングリッシュローズ」と呼ばれている品種グループがあります。 これは英国の育種家D.オースチンが優雅な花形や芳しい香りを備えたオールドローズに現代のバラを戻し交雑して作出した、いわばオールドローズタイプのモダンローズで、 現在、100を越す品種が出回っています。

新しいバラを求めて

新しいバラを求めてやまないバラ愛好家や育種家達によって、バラは少しずつ姿を変えてきました。このようなローザリアンといわれる人たちは、 いまでも病気や害虫に強い抵抗性のある品種の育成をめざして頑張っています。イングリシュローズは、オールドローズの優雅な花形や芳醇な香りの素晴らしさを見直すきっかけを与えてくれました。 グランドカバーローズも、修景用としてのバラの新しい展開方向を示しています。

優れた形質を持ちながら、これまで一度も遺伝資源としてバラの育種に使われていない野生バラがまだ沢山あります。これらを交雑の親に活用することによって、 もっと新しいタイプのバラが生まれる可能性があります。バイオテクノロジーを駆使した青色のバラも、近い将来私たちの前に姿を現してくれるでしょう。 バラの行く手はますます明るく刺激的といっても過言ではありません。

バラの種類

育成由来

オールドローズ(O:Old Rose)

1867年に四季咲き大輪のハイブリッドティーが人工交雑によって初めて育成されたので、 この時期までに作られていました原種、シュラブローズなどを「オールドローズ」と総称しています。 代表的な系統はR.ガリカ、アルバ、ダマセナ、センチフォリア、ブルボンローズ、HP種などです。 一季咲きで、花の色彩も限られているので一般的に豪華さはありませんが、モダンローズにはない、繊細で優雅な姿や花の色、豊かな香りがある。

アルバ・セミプレナ
カルディナル デ リシュリー
シャポードナポレオン

イングリッシュローズ(E:English Rose)

英国のD.Austineが育成し、1969年に初めて発表したオールドローズタイプのモダンローズの総称。優雅な花形や芳しい香りを漂わすオールドローズに、 モダンローズの四季咲き性や多彩な花の形や、色を導入して育成した新しいタイプのバラで、現在、100以上の品種が発表されている。

ヘリテイジ
グラハム・トーマス
イブピアッチェ
レディエマハミルトン
ジュードジオブスキュア
アブラハムダービー
ヤングリシダス
アンブリン 旧名アンヌボレイン。
キューガーデン
ウィンダミア
オリビアローズオースチン
クレアオースチン
シャーロットオースチン
バターカップ
ジェントルハーマイオニー
ザラークアセンディング
コンテドシャンパーニュ
ジュビリーセレブレーション
ウィンチェスターキャシードラル
プリンセスアレキサンドラオブケント
クラウンプリンセスマルガリータ
サマーソング
キャロリンナイト
ザポエッツワイフ
ストロベリーヒル
ザレディースブラッシュ
ザレディオブザレイク
ジアレンウィックローズ 旧名ジ・アニック・ローズ、アルンウィックキャッスル
ジェームズギャルウェイ
セプタードアイル
テスオブザダーバービルズ
トーマスエイベケット
ノーブルアントニー
ポートサンライト
ロイヤルジュビリー
ムンステッドウッド
モーティマーサックラー
レッチフィールドエンジェル
ボスコベル
モリニュー
ロアルドダール
ワイルドイブ
イングランズローズ
イモージェン
グレイス
LDブレスウェイト

樹型

ハイブリッド・ティー系(HT:Hybrid Tea)

樹形は直立から半直立状になり、高さは1.5m以上に達する。四季咲き大輪で、花の直径が15cm以上になるのも珍しくない。 ふつう、一本の茎に一つの花をつけ、剣弁高芯咲きが多い。多くの品種があり、花色も豊富である。

朝雲
天津乙女
インターフロラ
ウイミイ
ウインナーシャルメ

栄光
エスメラルダ
オーナー
オクラホマ
オペラ
カーディナル
ガーデンパーティ
かがやき
香澄
カリーナ
乾杯
希望
キャロリーヌ ド モナコ
クィーン・エリザベス
クッパーケニギン
クリスチャンディオール
クレオパトラ
黒真珠
恋心
光彩
小林育成系統
コロラマ
彩雲
サマードリーム
サマー レディ
ザマカットニーローズ
讃歌
サンブライト
サンフランシスコ
紫雲
ジェミニ
シャルル ドゥ ゴール
シュペールバルク
秋月
朱王
春芳
ジュリア
ショウガール
ジョン F.ケネディ
シルエット
スィート・アクトン
ステファニードゥモナコ
スパイス トワイス
ソリドール
ダイアナ
タイムレス ’98
ダブルデライト
丹頂
ディンティ ベス
トーナメントオブローゼズ
ニューカリーナ
熱情
ハーモニィ
初恋
パパメイアン
バレリーナ
バロネス ロスチャイルド
緋扇
ピース
ピンク・パンサー
ファウンテンスクエアー
ファースト ラブ
フィオルド
ブラント・H・モース
プリンセス・ド・モナコ
ブルーパヒューム
ブルームーン
ブルーリバー
ブルグント’81
フレンチパヒューム
ベテランズオナー
ヘルツアス
ヘルムットシュミット
フロージン’82
紅不二
芳純
ポールリカード
ボニカ’82
ホワイト ウイングス
ホワイトクリスマス
ホワイト マスターピース
マイダスタッチ
マキシム
正雪
マヌウ メイアン
マヒナ’81
マリアカラス
ミスターリンカーン
メリナ
メルヘン・ケニギン
モニカ
ヤング
友禅

ラスベガス
ルイドゥフューネ
レオニダス
ロイヤルハイネス
ローズヨコハマ
ローラ

フロリバンダ系(FL:Floribunda Rose)

横方向に伸びる性質が強く、樹高はせいぜい1m。花の直径が10cm前後の中輪で四季咲きのモダンローズ。 花数は多く、一本の茎に多数の花が房になって咲く。

アイスバーク
アンソニーメイアン
イングリッド ウェイブル
うらら
エルベショーン
オリンピックファイヤー
オレンジバニー
かざぐるま
ガルテンツアーバ
かれん
ケアフリーワンダー
ゴールド・バニー
コンチェルティーノ
桜貝
桜霞
ジーンバーナー
ジュビレデュプリンスドゥモナコ
ソノーラ
ダスキー・メドウン
チャールストン
チンチン
ディリースケッチ
ときめき
ドクターファースト
ニコール
パーマネントウェーブ
花霞
パルメンガルテンフランクフルト
ピンクファイアー
ピンクラセビリアーナ
ピンクヘイズ
プリンセス・ミチコ
フルーツ
ポリゴールド
マチルダ
マリアンデール
マリーナ
メクイスト
万葉
元の川
ユロピアーナ
ラバグルッド
リトルダーリン
緑光

ミニチュアローズ(MIN:Miniature Rose)

イェロー ドール
イエローメイアンディナ
いちばん星
ゴールド ジュエル
スカーレット ジェム
スターザン ストライプス
スタリナ
スノーメイアンディナ
バイオレット・ドリ
花見川
ピンクメイアンディナ
紅姫
マジック キャローセル
リュータン
ロズマリン
ロズマリン’89

つるバラ(CL:Climbing Rose)

「クライミング」、あるいは「クライミングローズ」ともいわれ、数メートルに達するつる性の枝を多数発生させる。 アーチやフェンスにからませて楽しむ。花の大きさは様々で大、中、小輪があり、開花期も一季咲き、四季咲きがある。

アルティシモ
ウェスターランド
ウルメール ミュンスター
カクテル
ゴールドバニー
サマースノー
シティ オブ ヨーク
スペクトラ
羽衣
ピエールドゥロンサール

スプレイ系(Spray)

花が比較的小さめで、分枝の様相がスプレイタイプの房咲き、茎の伸びが弱い

花型

剣弁高芯咲き:
花弁の先が下方に反り返り、上方からみると剣先のようにとがっている。花の芯(中央部)は比較的高い。

半剣弁高芯咲き:
花の芯は高いが、花弁の反り返りはゆるく、やや丸みを帯びた形をしている。

丸弁咲き:
花芯は高いが、花弁は反り返らないで丸い形をしている。

盃状咲き:
花芯は比較的低く、花全体の形が盃状をしている。

一重咲き:
花弁数は通常5枚で、一重に並んで咲く。

半八重咲き:
花弁が5枚あって二重に咲く。

バラの育て方

樹型や花の形・色・香りなどバラには多くの種類があります。花壇に植えるか鉢植えにするか、あるいは、垣根作りにするか、アーチやポールに仕立てるか…目的や好みによって選ぶバラの種類(品種)が違ってきます。 育て方はバラの種類や苗の状態によって多少違ってきます。

もちろん、植える場所の土質や気象条件によっても異なります。しかし、作り方の基本をマスターすればあとは工夫次第で立派な花を咲かせることができます。 自分で育てたバラが咲いたときの喜びは格別です。ここでは関東の平地で育てる場合を想定して基本的な事柄を述べますので、あとは工夫して下さい。

苗の植え付け
0℃近くになるとバラの樹は休眠状態になるので、厳寒期には少々乱暴に扱っても植え痛みはほとんどありません。2年生苗の植え付けや成木の移植は1、2月の寒い時期が適期です。 ポッ卜入りの1年生苗は春になると園芸店やホームセンターの店頭に並ぶようになりますので、できれば6月中旬頃までに植えつけたいものです。

バラを植えるところは日当たりや風通しの良い場所が適していますが、条件が多少悪くても管理次第で立派な花を咲かせることができます。庭に植えるときには直径、 深さとも30cm以上の植え穴を掘り、そこへ骨粉、油粕、化成肥料、乾燥牛ふん、堆肥などを入れ、土とよく混ぜ合わせます。化成肥料や牛ふんなどの量は苗の大きさや土の肥沃度によって変えますが、 バラ苗1本当たり牛ふん・堆肥は5リットル、それ以外は各150gを標準と考えて加減します。初心者にはバラ用の配合肥料やボカシ肥料が無難かもしれません。 肥料が直接バラの根に触れないように、庭土を厚さ5cm程戻してから根鉢を崩さないまま植えます。庭土に腐葉土やピートモスを適当に混ぜて根の周りに入れ戻します。 水をたっぷりと与え支柱を立てます。

水やり
冬は土が極度に乾燥しない限り水やりは不要です。夏は土が乾いたと思ったら水を十分与えましょう。庭植えのバラには株元に10リットルのバケツ1杯位、 鉢植えは鉢底から流れ出るまで水をやります。水やりは午前中が理想ですが余り厳密にする必要はありません。なお、梅雨に入る前に株元に敷きわらなどのマルチングをすると乾燥防止と黒点病予防に有効です。

施 肥
バラは「肥料食い」で、他の植物にくらべると多量の肥料を必要とします。肥料の分量や時期は樹の状況や土質・気象などによって変えますが、元肥と追肥に分けて施しましょう。

元肥はバラが休眠を始めた12月(冬期)に植え付け時に施した肥料とほぼ同じものを株元から30cmほど離れたところに溝を掘って施すか、ばらまいてすき込むようにします。夏にも元肥として冬期の半量位の施肥をします。

追肥は春の芽が伸びる前や、秋の剪定前に化成肥料または配合肥料を株から30cm以上離して円状にまきます。水やりをかねて液肥を千倍程度に薄めたものを施すのも効果的です。

花と枝の処理

つぼみの処理

新苗は翌年以降に立派な花を咲かせるために、1年目に出てくるつぼみは早めに摘み取るようにします。成木でも関東以南の地方では夏期のつぼみは摘み取ってやります。 大輪咲きのバラはわきから出るつぼみは摘み取りますが、中、小輪の品種はそのままにして房咲きにします。

ベイサルシュートの処理

株元から出る太い芽をべイサルシュー卜と言いますが、そのままにしておくと沢山の花がほうき状に咲いて樹を弱らせます。 これを防ぐために50cmほど伸びたら先端10cmを折ります。わき芽が再び伸びてきますから同様に折り取ります。これを秋まで繰り返すようにします。

夏の剪定

8月下旬から9月初めが夏の剪定の適期です。まず、枯れ枝や生育の悪い枝を切除します。次に夏までに伸びた枝の3分の1程度を、高さを整えながら切り戻すようにします。 仕上げは株全体のバランスを考えながら樹型を整えるように剪定します。

冬の剪定

2月の中旬が適期ですが、芽の伸び出す1ヶ月前までに剪定作業を終わるようにします。光や風通しを良くし、丈夫そうな5本前後の枝を盃状になるように整えることを念頭に置いて、 まず、枯れ枝、病気の枝、3年以上の古い枝、鉛筆よりも細い枝などを根元から切り取ります。次に、開花させる枝を切り詰めますが、切る位置は樹高が50cm程度で外側についている芽の5mm程上を斜めに切るようにします。

病害虫の防ぎ方

バラに被害を与える病害虫は種類が多く、致命的なダメージを与えるものも少なくありません。 しかし、防除法がほぼ確立していますのでマニュアルに従って防除作業を確実に行えば誰にでもすてきな花を咲かせることができます。バラのおもな病害虫と防除法は下記の通りです。

黒星病

葉に黒色の斑点が生じ、やがて葉全体が黄色になって落下する。
病兆を認めたら葉は除去・焼却。薬剤としては、サプロール、ダコニール、マネージなど。

うどんこ病

芽や若葉、つぼみなどが小麦粉を振りかけたように白くなり葉がよじれる。
ミラネシン水和剤、トリフミン、モレスタンなど。

キャンカー(枝枯れ病)

枝に紫褐色の斑点が生じ、やがて枝が枯れる。
発見次第健全部分まで切り詰める。

根頭がんしゅ病

根にこぶが生じ、株が次第に弱る。

株を掘り起こして焼却。土も取り替える。

ハダニ

高温、乾燥が続くと葉裏に発生。落葉させる。
オサダン、ニッソランなどを4,5日おきに3回散布。

アブラムシ

新芽にむらがって発生する。
オルトラン、スミチオン、ベストガードなどを1週間置きに2回散布。

チュウレンジハチの幼虫、シャクトリムシ

葉を食害
スミチオン、アクテリックなどを発生時に数回散布。

バラクキバチ

若枝に産卵し、枝先を枯らす。
スミチオン、アクテリックなどを。

出典 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会公式サイト

人気記事 マルニ木工のHIROSHIMA アームチェアの特徴と魅力!

タイトルとURLをコピーしました