人気のイングリッシュローズ グラハム・トーマスの特徴と魅力!
グラハムトーマスってどんな特徴や魅力があるバラなの?育て方は?水やりは?肥料は?植え付けは?剪定のタイミングは?こちらではそんな疑問にお答えします。グラハムトーマスは、英国のバラの育種家であるデビット・オースチンによって育てられた濃い黄色の低木バラです。この品種は、伝説的なバラの園芸家、グラハムトーマスにちなんで名付けられました。イングリッシュローズの中でも有名な品種です。
ねえねえボンゾくん、グラハム・トーマスってどんな特徴や魅力のあるバラなの?水やりや肥料、植え付け、植え替えや剪定のやり方なんかも教えてくれないかなあ?
グラハム・トーマスはハイブリットティー系の四季咲き、とっても綺麗なバラだよね!それじゃあ、マリアカラスとその育て方について、詳しく説明していこうね!
グラハム・トーマスについて
バラ・グラハムトーマスはバラ科バラの品種。2001年に発表されたイングリッシュローズの中でも有名な品種です。
グラハム・トーマスと言う名前は作出者のデビッド・オースチンのナーセリー(=農場)に通った同じくバラの研究家でありガーデンライターである「グラハム・スチュアート・トーマス」のことです。彼はオールドローズの膨大なコレクションがあるヒリングス・ナーセリーの責任者でした。1940年代のオールドローズは「時代遅れ」とされていたのに、デビッド・オースチンはオールドローズを元にした新しいバラを育種をはじめました。グラハム・トーマスはデビッド・オースチンに励ましの言葉やアドバイスをしたり、デビッドオースチンが意見を求めてグラハム・トーマスのナーセリーに通って意見を求めた関係でした。彼はかなり気むづかしく、厳しく細かい指摘をする人でした。イングリッシュローズのもう一人の生みの親という言い方もできるかもしれません。その恩に対して、デビッド・オースチンは新品種の候補の中からグラハム・トーマス自身に選んでもらったのが、この品種です。2000年にジェームズメイソンアワード賞受賞。2009年に世界ばら会議殿堂入りしました。
透明感のある黄色の中輪カップ咲きが徐々に薄いクリーム色に変化します。オープンカップ咲きとされますが、ロゼット咲きやクォータロゼット咲きになることもあります。イギリスでは樹高150cmから180cmのシュラブ樹形ですが、日本ではクライミング樹形(3m)に育ちがち(日本の方が暖かいため)です。ただし、北海道では寒いのであまり大型化しません。シュラブから小型のツルバラとしても育てられるため、色んな用途(鉢植えでもいけるしフェンスに絡ませるなども可能)に使われます。ツルバラとして育てた場合は春に旺盛に開花しますがその後の返り咲きは鈍いです。庭植えして3年目以降に株が充実して旺盛に開花します。
夏に剪定すると秋に少し開花します。ウドンコ病には強いのですが黒点病は発生します。農薬は定期的に使用した方が安全です。
シュラブ樹形にする場合の冬の剪定は樹高の半分を目安に切り戻します。ツルバラの場合は冬の剪定は先を切る程度にします。
性質
四季咲き・返り咲き オープンカップ咲き 耐病性(ウドンコ病に強い) 花壇 鉢植え 初心者向き ツルバラ
花径10cm
香ティー・強い
樹高150cmから180cmもしくは3m横幅120cm
樹形シュラブ樹形・日本ではツル樹系(クライミング樹形)
作出者デビット・オースチン
出典 みんなのガーデニング花図鑑
グラハム・トーマス イングリッシュローズの育て方
水やり
水やりの基礎
庭植えの水やり
生育時期の3月から10月は庭植えでも水やりをします(もちろん梅雨や雨の降る時期は水やりはしないでいい)。水が切れると生育が鈍くなり、株が弱り、開花が鈍くなります。冬の間は自然に降る雨だけで充分です。
●泥が跳ねて葉っぱに付くと病気(黒星病)になるので、株元に水をやるときはソッとやります。泥ハネを防ぐために、株元に腐葉土やワラを敷いてマルチングをして泥ハネを防ぐといいです。
●マルチングは冬剪定の時にすると地上部がないので楽。
●株元に日光が当たると乾燥してしまうので、場合によっては乾燥予防のためのマルチングをする。庭植えの植え付け後、半年の水やり
植え付けして六ヶ月は根が張っていないので水を吸い上げる力が弱く、水切れする。水切れすると生育不良を起こすので、植え付けして一ヶ月には庭植えであっても週に二回は水やりをし、二ヶ月目から三ヶ月目は秋に一回水やりをする。四ヶ月目から五ヶ月目までは土と葉っぱの様子を見て水をやり、六ヶ月目以降は自然雨だけで十分になります。
鉢植えの水やり
鉢植えの場合は年間を通して土が乾いたら水をやります。水をやるときは鉢底から水がしみ出すくらいにしっかりとやります。また泥が跳ねないように丁寧に水をやります。泥が跳ねて葉っぱにつくと病気の元になります。水やりはできれば朝9時か10時までにやるといいです。乾燥時期は葉っぱの裏に水をかけるとハダニ予防になります。
●夏は昼間に水をやると水が沸騰して根を傷めます。水切れするなら朝・夕の二回水をやります。
●冬は生育が鈍くなっているので土が乾いてから数日経って水をやります。朝に水をやります。昼以降に水をやると水が明け方に凍って枯れてしまうかもしれません。冬の水やり(12月から2月)
バラは冬は休眠している。庭植えにした場合は、よほど乾燥しない限りは水やりは不要。鉢植えの場合は、土が乾いて、2、3日経って水をやるようにする。間隔でいうと10日に一回とか。あくまで目安ですので環境(風通し・土の配合など)によってかなり変わってきます。完全に断水すればカリカリになって枯れますので水やりは継続してください。
春の水やり(3月から6月)
3月に新芽が動き始め、徐々に気温が上がってくると水を必要としてきます。庭植えでも様子を見て水をやり、鉢植えはセオリー通りに土が乾いてきたら水をやります。
ツボミ→開花する時に水を必要とします。水が不足するとツボミが落ちたり、花が開かなかったりと悲しいことになります。水不足というのは葉っぱが萎れるほどのことではなく、葉っぱは萎れていなくてもツボミは落ちます。水不足にならないように鉢植えはもちろんのこと、庭植えでも水切れしないように注意します。
●株元にワラを敷いてマルチングして蒸発を防ぐ。マルチングをするのは泥ハネを防いで黒星病予防にもなります。
●一季咲き・ツル樹形は春に旺盛に咲きますので、水切れしないように注意します。春以降に花が咲かなくても枝を伸ばすために水を欲するので水切れしないように注意します。夏の水やり(7月8月)
気温が上昇してよく生育するし、蒸発が激しい。乾燥を防ぐために株元にワラやバークでマルチングをした方が良い。マルチングは泥ハネを防いで黒星病の予防にもなる。日本は暖かいために、イングリッシュローズのカタログにあるより、樹高・横幅が大きくなる。ただし、中には暑さで葉っぱが落ちたり、花が休む品種もある。
庭植えの場合は様子を見て水やりをする。晴れた日は毎日水をやる。
鉢植えの場合は毎日、朝夕二回、水やりをする。台風対策の支柱(7月から8月)
ブッシュ樹形・シュラブ樹形は基本的に支柱を立てない。支柱を立てると枝は茂りやすいが茎が細くなり、風に弱くなる。茎が細いと吸い上げる力が弱くなり、春・春以降のどちらもの開花が鈍くなる。なのでブッシュ樹形・シュラブ樹形では支柱は立てず、自然樹形で栽培する。
支柱は立てない方がいいが、台風の時は別。台風の時は支柱を立ててくくりつけておく。普段から支柱を立てていると枝が弱く、支柱を立てても株が揺れて折れることが多い。
肥料
年間作業
寒肥・元肥(12月から2月)
12月から2月のどこかでやる肥料。春以降に生育するためのエネルギー(なので芽出し肥とも)。株から40cm離れたところに深さ10cmの溝を掘って肥料を埋めるか、株から40cm離れたところに深さ10cmの穴を4カ所から6カ所ほど掘って掘り出した土に肥料を混ぜ込んで埋め込む。近すぎると根が肥料やけを起こすので注意する。
上記の寒肥とは別に2月から3月の芽が出る直前くらいに液体肥料を別途やると芽に勢いが出て良い。
●肥料はバラ専用肥料か、骨粉と油粕を1:1で混ぜたもの…有機肥料がよく、化成肥料は避ける。
●肥料不足のときは化成肥料(液体肥料など)をやってもいいが、有機肥料の補助的に使う。
●12月から1月に肥料をやる場合は、緩効性化成肥料をやる。2月にやる場合は速効性の化成肥料をやります。
●緩効性化成肥料を早めにする方が健康的。開花後の追肥(4月から10月)
よく開花する四季咲きのブッシュタイプ・小型のシュラブタイプは開花時期に有機肥料(緩効性)を追肥する。生育時期なので健康的に生育しているのであれば有機肥料は切らさないようにする。それとは別に液体肥料をやるといい。液体肥料は即効性で「少し足りないんじゃないか?」と思ったら追加。ツル性や大型のシュラブタイプは肥料を控えた方が秋に開花しやすい品種もある。
株から40cm離れた周囲に深さ5cmの溝を掘って肥料を混ぜ込む。もしくは数カ所穴を掘って肥料を埋め込む。
●ツル樹形・大型のシュラブは四季咲きしにくく、基本的に一季咲(春に咲く)。この樹形の種類は春以外は花が咲きづらい代わりに枝を伸ばす。この時期(春以外)に肥料が多いと枝がガンガン伸びて秋に花が咲きづらくなる。鉢植えの追肥
鉢植えで追肥する場合は、株から離して鉢の縁に肥料を置く。肥料の間隔は庭植えを参考にする。
植え付け・植えかえ
苗の植え付け(12月から2月)
大苗の植え付けは12月から2月に行う。鉢苗の場合は、土を落として根をいじる植え付け(=同じ大きさの鉢への植え替え)も12月から2月に行う。鉢苗の土を落とさないでの植え替え・鉢増は夏(7月8月)以外であれば基本的にいつでもいい。
●イングリッシュローズの新苗(一年生苗)は出回らない。大苗か鉢苗のみ。
●イングリッシュローズの鉢は基本的に7号から8号。夏の水やりを考えると10号に。
●イングリッシュローズの鉢の植え替えは数年に一回程度でもいい。ただしコガネムシの幼虫や癌腫病が発生するのでチェックのためにも植え替えはした方がいい。
●イングリッシュローズは大きくなる苗で8号鉢では本来の性質をいかせず根詰まりしやすい。理想は庭植え。
●国産苗はノイバラ台木で、外国産はロサ・カニナ台木が多い。ロサ・カニナは癌腫病に耐性がある。癌腫病がよく発生するならロサ・カニナ台木を買う。
●同品種を群植させるのも結構綺麗。剪定・切り戻し
冬剪定(12月から2月)
最低気温が7度以上になるとバラは活動を再開しはじめます。芽が膨らみ、剪定の判断ができるようになったら剪定をします。芽が開いて本格的に動き始める前に剪定を済ませましょう。
●ハサミは1株ごとに病気予防のために消毒する。消毒しないとキャンカーなど発生する。ハサミは数個持ち、1株剪定したら→消毒液につけて→別のハサミで剪定→を繰り返す。
●ハサミの消毒はキッチンハイター・オスバン(ベンザルコニウム塩化物)・第三リン酸ナトリウム(商品名でいうとビストロン)など。海外のバラ園では次亜塩素酸水の希釈液に5秒漬ける。ただし次亜塩素酸水は鉄ハサミをサビさせるのでステンレス製を使う。
●ゴム手袋・革手袋でもトゲが貫通する。溶接用手袋(豚革)でも貫通するがかなりダメージは少なめ。高価だから「トゲが貫通しない」ってことではない。溶接用手袋(豚革)の方が安くて高性能。溶接用手袋(豚革)は園芸コーナーにはないので注意。冬剪定と一緒にやる作業
誘引
ツルバラ樹形に仕立てているイングリッシュローズは冬剪定をしつつ、誘引してやります。誘引・冬剪定の方法はツルバラを参考にしてください。マルチング
株元にワラやバークなどでマルチングをする。枝を落として葉っぱを全て落としているので作業がしやすい。腐葉土でマルチングするとコガネムシの幼虫(ネキリムシ)が発生しやすいので避ける。テッポウムシのチェック
テッポウムシが幹の中を食い荒らすと枯れるので、剪定してスッキリしている今こそ、チェックしやすいのでやっておく。株元を見て、穴が空いてオカクズが落ちていないか見る。穴が空いていたら、穴に薬剤を注入して駆除する。石灰硫黄合剤の散布(2月)
昨年、黒星病が発生したら石灰硫黄合剤を散布するといい。ただイングリッシュローズは黒星病に耐性のあるものが多く、春から秋に対応の薬剤を散布していればひどい被害に遭うことはほぼない。黒星病が発生してひどい被害に遭うようなら別の理由を再考した方がいい(日照時間・土の水捌け・肥料の過多&過少・品種など)。
●芽が動き始めると薬害が出るので2月までに済ます。
●マシン油でもいい。サラダ油でもいいです。株が少ないならこれらを筆で塗る。薬剤の散布(3月から10月)
バラの主敵は黒星病とウドンコ病だが、イングリッシュローズはこの二つに耐性があるものが多い。耐性があるので無農薬でも問題ない場合もあるが、そうは言っても薬剤は散布した方が無難。対応の薬剤を毎月3回か4回、葉っぱがある間はやり続ける。面倒だけどバラ栽培では致し方ない。
3月から4月の芽が出る前からツボミが色付くまでの期間に殺菌をする。この時期に活動が始まるのでこの時期にやっておくと後は発生しづらい。一番花の開花以降は殺菌しない、という人もいる(耐性があるものは特に)。
●薬漬けが嫌な人は一番花まで散布をして後はなしにする。害虫対策
害虫は「発生してから」の対処で済ます。発生したら発生箇所に薬剤を散布するなどして駆除する(もしくはテデトール)。なので毎日観察し異変が分かるようにしておく。早く発見すれば薬剤を散布する必要はほぼない。害虫に関する知識を身につけておくと判断が早い。
8月9月にコガネムシの幼虫(=ネキリムシ)の対策として薬剤を散布する。コガネムシは地上部から確認できず、変化が見える頃にはほぼどうにもならないので毎年薬剤散布する。
●不幸にしてコガネムシの幼虫が発生して根がほとんどやられてしまったら、掘り出して、地上部を刈り込んで「大苗を鉢に植える」の手順で植え付ける(被害にあったなら時期はいつでもいい)。ネメデールをやりつつ、半日陰で管理すると回復する、かもしれない。ツル樹形の花ガラ剪定(5月から6月)
ツル樹形・一季咲きは春にしか開花しません。最初の花は枝分かれしているところから15cmほど残して剪定します。すると脇芽が出て開花します。この二番花は花首のすぐ下で剪定して、次の開花をさせ、三番花を咲かせます。これを繰り返して花が咲かなくなるまで行います。
花ガラ剪定(5月から10月)
四季咲き品種(大抵のシュラブ樹形)は春に開花して実をつけると生育が止まります。なので花に実がつかないように切ることで次の生育を促し、次の花(二番花・三番花など)を咲きやすくする「花ガラ剪定」を継続して行います。一般的には枝から花までの半分とか、大きな5枚葉の上5mmあたりを切ると、残した葉の根本から新芽が出てきます。新芽が二個以上出てきたら、5cmほど伸びたあたりで間引いて元気がいいの一個にします。
●開花中は水をよく吸い上げますので終わりかけに剪定することで次の脇芽が出やすくなり開花が早まります。しおれて傷んでから花ガラ剪定するのではなくて、早めに切るのがコツ。早めに切って切り花として飾るといいです。
●花からすぐ近くの位置で剪定すると次の花が早く出て早く開花するが花は小さくなり、深く切り戻すと開花は遅くなるが花は大きくなる(これで開花時期をコントロールすることも可能)。
●四季咲き品種は花ガラ剪定をしてから平均で40日前後で次の花が開花する。夏なら30日で開花。
●花ガラ剪定が遅いと花に実がついて株が弱り、頂芽(ツルの先)が伸びてひょろ長くなり、枝が細くなり、花が減ってしまいます。四季咲き品種は花ガラ剪定をしましょう。
●脇芽が出ても、四季咲き性・返り咲き性の弱い品種は開花しないか、開花が鈍い。また日照時間や土壌・気候・株の充実の度合いによっても咲かないことがある。よってあんまり気にしないで管理した方がよい。夏剪定(8月9月)
8月になり気温が高くなると枝葉が旺盛に伸びはじめます。上記の「花ガラ剪定」を維持するのが普通ですし無難ですし、初心者向けですが、秋の開花の方が鮮やかで長持ちになるので、秋に一斉に開花させるために「夏剪定」を行う人もいます。関東であれば9月の上旬に二番花の茎を半分か5枚葉の上5mmあたりで切ってしまいます(三番花が咲いていても二番花の茎で切る)。全ての枝を切り戻します。ツボミも同様に切り戻し、シュートも二節か三節ほど切り戻します。
●強い切り戻しをすると株が弱ることもあるので心配なら夏剪定はせず、花ガラ剪定を継続する方が無難。特に初心者は。
●秋に旺盛に咲かせようとせず、春の一番花を大事にする方が楽。秋の開花は「流れに任せて」咲かせるくらいの気持ちがいいです。
●夏にバッサリと夏剪定をすると、涼しくなってから開花する。するとその次の開花まで前の花が残って並存するため、秋は沢山花が咲いている状態になりやすい。よって秋も「イングリッシュローズの最盛期」とされるが、これは剪定で意図的に作っているだけで、秋によく開花する性質ってことではない。管理場所・日当たり
1日5時間以上日当たりの場所で管理する。イングリッシュローズは四季咲きと一季咲きがあるが、四季咲き傾向が強いものは日光を必要とする(日光が少ないと開花が鈍くなる)。日当たりが悪い場所で栽培するのであれば一季咲き品種(もしくはツル樹形)を栽培する。
病害虫対策
黒星病・ウドンコ病・テッポウムシ・バラの癌腫病・カイガラムシ・ハダニ・アブラムシ・ウドンコ病など病気の詳細は以下のリンクを参考に。イングリッシュローズはバラの主敵である黒星病・ウドンコ病の耐性を持っていることが多いので、そこまで大変じゃないが、耐性があっても月に3回か4回の薬剤散布はやるべき。ここでは対応薬剤の一覧を列挙しておきます。
黒星病
黒星病(黒点病)に効果のある薬剤
サプロール…黒星病(黒点病)に予防と治療効果のある薬剤。
サルバトーレ…黒星病(黒点病)の治療効果のある薬剤。予防には効果がないので発病後に散布すること。
アタックワン…スプレータイプの薬剤。黒星病(黒点病)の他にウドンコ病・ハダニ・アブラムシ・その他の毛虫に効果がある。
ダニコール…総合殺菌薬で黒星病、うどんこ病、斑点病に予防効果がある(治療効果はなし)。
ジマンダイセン…黒星病・サビ病・炭疽病・灰色カビ病・ベト病に予防効果のある薬剤。ウドンコ病に効果のある薬剤
トップジン…ウドンコ病と黒星病に予防効果がある。
カリグリーン…ウドンコ病に治療効果がある。
サンヨール乳剤…ウドンコ病・灰色かび病・黒星病・アブラムシ・ハダニ・チュウレンジハバチに防除効果がある。
アーリーセーフ…ハダニ・アブラムシ・コナジラミ・うどんこ病の防除に。殺虫剤
スミチオン…スリップス(アザミウマ)・アブラムシ・カイガラムシ・ヨトウムシ・コガネムシ・アオムシ・バラゾウムシの殺虫剤。
オルトラン粒剤…アブラムシ・コガネムシ(幼虫)・スリップス(アザミウマ)・ヨトウムシに効果がある。土に撒いて根から吸収して効果がある。
ベニカ水溶剤…アブラムシ・スリップス(アザミウマ)・コガネムシに効果のある殺虫剤。
ダニ太郎…ハダニ・ダニ類に効果がある殺虫剤。
コロマイト…ハダニに効果がある殺虫剤。●癌腫病に感染してコブを作っても樹勢の強い品種だと問題なく生育する(特にツルバラは)。四季咲き品種や元々弱い品種は癌腫で枯死しやすい。
●癌腫病のコブはモロっと取れる。カルスはカチカチ。
●ウィルス病対策に自動消毒のVカットハサミをどうぞ。
出典 みんなのガーデニング花図鑑
通販で購入出来るグラハムトーマスの苗
バラのこと、もっと知りたい!
バラの歴史
バラのルーツ
アジアや欧米などに自生分布しているバラの近縁種(バラ科、バラ属の植物)は200種にも及ぶとみられています。発掘された化石の分析から、 野生のバラは3千万年も前にすでに北半球の各地に分布していたことが分かっています。それよりずっと前にバラの祖先種は世界のどこかで生まれ、 分化しながら各地に伝わっていったのです。
バラの生まれ故郷はいったい何処なのでしょうか。真実はまだ誰にも分かっておりませんが、近縁野生種の分布や遺伝的な変異の状況から、 専門家はヒマラヤの麓や渓谷あたりが、バラの発祥地としてもっとも可能性が高いとみています。
古代のバラ
バラは伝説やロマンに彩られた究極の植物であるといわれていますが、単に優れた園芸植物というだけでなく、文芸、美術、さらに香料や薬の分野でもきわだった役割を演じてきました。
クレタ島の壁画(3000-1100BC),バビロニアの叙事詩(2000BC),ギリシャの史家ヘロドトスの著書「歴史(400BC)」,哲学者テオフラストスの植物誌(300BC)など、 バラは紀元前にもいろいろなところに登場してきました。クレオパトラや皇帝ネロも沢山の花びらを宮殿の床に敷きつめたり、ネットにいれて天井から吊したり、 あるいはお風呂に浮かべて楽しむなど、贅沢な使い方をしたことが知られています。
ちなみに、クレオパトラがアントニウスを迎えたときには宮殿全体をバラで飾り、廊下にはバラの花びらを20cmほど敷きつめたと言われています。高価なローズオイルも、 支配者の象徴としてふんだんに愛用したようです。
政治との関わりではイギリスのバラ戦争が有名です。白バラを徽章とするヨーク家と、紅バラのランカスター家が王座をめぐって激しく対立したのですが、 結局ランカスター派のヘンリー(七世)が王位の座につき上り、ヨーク家のエリザベスを妃とし、シンボルも紅バラと白のTutorローズを用いて国の統一をしました。
バラの栽培史については紀元前500年頃に、古代中国の宮殿(周王朝)の庭で栽培されたのがもっとも古い記録だとされています。ギリシャでも紀元前後に栽培されはじめたらしいのですが、 一般化してきたのは3世紀のローマ帝国時代以降といわれています。
ギリシャの女流詩人、Sapphoがバラは「花の女王」であると讃えましたが、それ以来すでに2千年以上も経っています。長い歴史の中でバラの魅力は衰えるどころか益々深まってきているのです。
伝播と進化
ローマ帝国の崩壊とともにバラの栄華も一時は衰えましたが、やがて7世紀中期にサラセン帝国の隆盛をみるに及んで、バラは南欧スペインまで到達することになりました。 バラの東西交流に果たした十字軍の役割も極めて大きかったといわれています。十字軍は11世紀から13世紀の間に7回も遠征したのですが、東方からの帰りにバラの新種を西ヨーロッパに持ち帰って広めたのです。
バラが芸術品のモチーフとして頻繁に登場するようになったのは14世紀以降、イタリアのルネッサンス期から後のことで、この頃からヨーロッパにおけるバラの栽培も盛んになってきました。 バラの発展に偉大な貢献を果たしたのは、ナポレオンの第一妃ジョセフィーヌ(Josefine)です。彼女は1802年にマルメゾン離宮に広大なバラ園を作り、そこに世界から集めた珍しいバラを栽培しました。 花だけでなく樹全体を鑑賞の対象にしました。ジョセフィーヌは1814年に亡くなりましたが、彼女のコレクションは250種類にも達していました。とても幸運なことですが、 この大コレクションの多くは図譜として私たちに残されているのです。さらに、特筆すべきことですが、このバラ園で働いていたA.デュポンが世界で初めて人工交雑によって新しいバラを作出しました。 近縁種間の交雑によって花形、色、香り、四季咲き性などバラの遺伝的な性質に革命的な変化が生じましたので、この時期よりも前のバラを「オールドローズ」、 それ以後のバラを「モダンローズ」と称することになりました。
香料や薬用など
インド北部のカシミヤ王国で発見されたといわれているバラの精(Attar of roses)は、香水や死者への塗油(Anoint)として広く用いられていました。 しかし、古代中国ではローズオイルを使用できるのは支配層に限られており、フランスでも一般の人たちがローズオイルを使えたのは、結婚式の時ぐらいだったといわれています。
バラの香気成分を分析すると600種類以上もあるそうですが、成分バランスや量によって甘い香りや優雅な香りなど奥深い芳香が生まれます。ローズオイルはどの時代でも極めて高価で、 同じ重さで比較すると金の6倍以上もしたそうです。ローズオイルの主産国はブルガリアで、輸出先は主にフランスです。
19世紀に用いられた植物性の薬にはバラの成分を含んだものが多かったといわれています。病気の治癒に効果のある成分は主にバラ、とくに薬用バラ(Apothecary Rose)として知られていた Rosa gallicaの花びらに多く含まれていました。バラの花びらを原料として作られた薬は胃の消化薬として広く用いられました。また、ダマスクバラ(Damask Rose、Rosa damascena) のシロップは下剤として、バラの花びらを酢に漬けた「バラ酢」は鎮静・頭痛薬として用いられました。バラの実から取り出した果肉を砂糖と混合・調整したものも慢性病に効く薬として売られていました。 薬用としての需要は激減しましたが、バラの実はお茶や砂糖漬にして今でもまだかなりの量が消費されており、ビタミンCの供給源になっています。実だけでなく花も食用になります。 このような用途にはRosa rugosa やR.caninaが適していると言われています。
バラの原種
現代のバラ品種を成立させた祖先種をたどって行きますと、ノイバラ、ハマナス、庚申バラなど7、8種の野生バラにたどり着きます。このような野生種を一般にバラの「原種」と呼んでいますが、 それらの大部分はRosa gallicaや、その近縁種を含むGallicanaeと呼ばれている植物グループに属しています。これらの野生植物も美しい花をつける魅力的な植物ですが、 残念なことにそれらの真価はほとんど認められていません。たとえば、Rosa eglanteriaは芳醇な香りのするかわいい実をつけますし、Rosa virginianaは花、実、葉のいずれも豊かな色彩に富んでいて、 四季を通じて楽しむことができます。今日広く栽培されているバラの品種は次に列記しました植物のうち2種以上の植物を遺伝資源として交雑・育成されたものです。
近代のバラ
19世紀以前に中国で育成・栽培されていたRosa chinensisとR.giganteaとの交雑種がヨーロッパに導入され、Bourbon roseとの交雑が試みられました。 その結果、Hybrid perpetual系とTea系のバラが生まれ、さらにこの両系間の交雑からHybrid tea(HT)系が育成されました。 1867年に発表されたギョー氏作出の「ラ・フランセ」が四季咲き大輪バラ(HT系)のナンバーワンとされています。
それまでのBourbon系のバラは晩春から夏にかけて年一回開花するだけでしたが、中国種から四季咲きの性質や多様な花色、つる性、耐寒性などの諸性質が導入されて近代のバラが出現したのです。 さらに日本原産のノイバラ(R.multiflora)とR.chinensisとの交雑種であるPolyantha系にHT系を交雑して育成したのが、 中輪多花性のFloribunda(FL)です。花粉親の分からない自然実生から選抜・育成された場合が多かったので、系統関係は必ずしも判然としませんが、 東洋種と西洋種との交雑が繰り返されて遺伝変異に富む魅力的なモダンローズが数多く発表されました。
最近、世界に新風を巻き起こしているバラに「イングリッシュローズ」と呼ばれている品種グループがあります。 これは英国の育種家D.オースチンが優雅な花形や芳しい香りを備えたオールドローズに現代のバラを戻し交雑して作出した、いわばオールドローズタイプのモダンローズで、 現在、100を越す品種が出回っています。
新しいバラを求めて
新しいバラを求めてやまないバラ愛好家や育種家達によって、バラは少しずつ姿を変えてきました。このようなローザリアンといわれる人たちは、 いまでも病気や害虫に強い抵抗性のある品種の育成をめざして頑張っています。イングリシュローズは、オールドローズの優雅な花形や芳醇な香りの素晴らしさを見直すきっかけを与えてくれました。 グランドカバーローズも、修景用としてのバラの新しい展開方向を示しています。
優れた形質を持ちながら、これまで一度も遺伝資源としてバラの育種に使われていない野生バラがまだ沢山あります。これらを交雑の親に活用することによって、 もっと新しいタイプのバラが生まれる可能性があります。バイオテクノロジーを駆使した青色のバラも、近い将来私たちの前に姿を現してくれるでしょう。 バラの行く手はますます明るく刺激的といっても過言ではありません。
バラの種類
育成由来
オールドローズ(O:Old Rose)
1867年に四季咲き大輪のハイブリッドティーが人工交雑によって初めて育成されたので、 この時期までに作られていました原種、シュラブローズなどを「オールドローズ」と総称しています。 代表的な系統はR.ガリカ、アルバ、ダマセナ、センチフォリア、ブルボンローズ、HP種などです。 一季咲きで、花の色彩も限られているので一般的に豪華さはありませんが、モダンローズにはない、繊細で優雅な姿や花の色、豊かな香りがある。
アルバ・セミプレナ
カルディナル デ リシュリー
シャポードナポレオンイングリッシュローズ(E:English Rose)
英国のD.Austineが育成し、1969年に初めて発表したオールドローズタイプのモダンローズの総称。優雅な花形や芳しい香りを漂わすオールドローズに、 モダンローズの四季咲き性や多彩な花の形や、色を導入して育成した新しいタイプのバラで、現在、100以上の品種が発表されている。
ヘリテイジ
グラハム・トーマス
イブピアッチェ
レディエマハミルトン
ジュードジオブスキュア
アブラハムダービー
ヤングリシダス
アンブリン 旧名アンヌボレイン。
キューガーデン
ウィンダミア
オリビアローズオースチン
クレアオースチン
シャーロットオースチン
バターカップ
ジェントルハーマイオニー
ザラークアセンディング
コンテドシャンパーニュ
ジュビリーセレブレーション
ウィンチェスターキャシードラル
プリンセスアレキサンドラオブケント
クラウンプリンセスマルガリータ
サマーソング
キャロリンナイト
ザポエッツワイフ
ストロベリーヒル
ザレディースブラッシュ
ザレディオブザレイク
ジアレンウィックローズ 旧名ジ・アニック・ローズ、アルンウィックキャッスル
ジェームズギャルウェイ
セプタードアイル
テスオブザダーバービルズ
トーマスエイベケット
ノーブルアントニー
ポートサンライト
ロイヤルジュビリー
ムンステッドウッド
モーティマーサックラー
レッチフィールドエンジェル
ボスコベル
モリニュー
ロアルドダール
ワイルドイブ
イングランズローズ
イモージェン
グレイス
LDブレスウェイト樹型
ハイブリッド・ティー系(HT:Hybrid Tea)
樹形は直立から半直立状になり、高さは1.5m以上に達する。四季咲き大輪で、花の直径が15cm以上になるのも珍しくない。 ふつう、一本の茎に一つの花をつけ、剣弁高芯咲きが多い。多くの品種があり、花色も豊富である。
朝雲
天津乙女
インターフロラ
ウイミイ
ウインナーシャルメ
宴
栄光
エスメラルダ
オーナー
オクラホマ
オペラ
カーディナル
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マキシム
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マヌウ メイアン
マヒナ’81
マリアカラス
ミスターリンカーン
メリナ
メルヘン・ケニギン
モニカ
ヤング
友禅
夢
ラスベガス
ルイドゥフューネ
レオニダス
ロイヤルハイネス
ローズヨコハマ
ローラフロリバンダ系(FL:Floribunda Rose)
横方向に伸びる性質が強く、樹高はせいぜい1m。花の直径が10cm前後の中輪で四季咲きのモダンローズ。 花数は多く、一本の茎に多数の花が房になって咲く。
アイスバーク
アンソニーメイアン
イングリッド ウェイブル
うらら
エルベショーン
オリンピックファイヤー
オレンジバニー
かざぐるま
ガルテンツアーバ
かれん
ケアフリーワンダー
ゴールド・バニー
コンチェルティーノ
桜貝
桜霞
ジーンバーナー
ジュビレデュプリンスドゥモナコ
ソノーラ
ダスキー・メドウン
チャールストン
チンチン
ディリースケッチ
ときめき
ドクターファースト
ニコール
パーマネントウェーブ
花霞
パルメンガルテンフランクフルト
ピンクファイアー
ピンクラセビリアーナ
ピンクヘイズ
プリンセス・ミチコ
フルーツ
ポリゴールド
マチルダ
マリアンデール
マリーナ
メクイスト
万葉
元の川
ユロピアーナ
ラバグルッド
リトルダーリン
緑光ミニチュアローズ(MIN:Miniature Rose)
イェロー ドール
イエローメイアンディナ
いちばん星
ゴールド ジュエル
スカーレット ジェム
スターザン ストライプス
スタリナ
スノーメイアンディナ
バイオレット・ドリ
花見川
ピンクメイアンディナ
紅姫
マジック キャローセル
リュータン
ロズマリン
ロズマリン’89つるバラ(CL:Climbing Rose)
「クライミング」、あるいは「クライミングローズ」ともいわれ、数メートルに達するつる性の枝を多数発生させる。 アーチやフェンスにからませて楽しむ。花の大きさは様々で大、中、小輪があり、開花期も一季咲き、四季咲きがある。
アルティシモ
ウェスターランド
ウルメール ミュンスター
カクテル
ゴールドバニー
サマースノー
シティ オブ ヨーク
スペクトラ
羽衣
ピエールドゥロンサールスプレイ系(Spray)
花が比較的小さめで、分枝の様相がスプレイタイプの房咲き、茎の伸びが弱い
花型
剣弁高芯咲き:
花弁の先が下方に反り返り、上方からみると剣先のようにとがっている。花の芯(中央部)は比較的高い。半剣弁高芯咲き:
花の芯は高いが、花弁の反り返りはゆるく、やや丸みを帯びた形をしている。丸弁咲き:
花芯は高いが、花弁は反り返らないで丸い形をしている。盃状咲き:
花芯は比較的低く、花全体の形が盃状をしている。一重咲き:
花弁数は通常5枚で、一重に並んで咲く。半八重咲き:
花弁が5枚あって二重に咲く。バラの育て方
樹型や花の形・色・香りなどバラには多くの種類があります。花壇に植えるか鉢植えにするか、あるいは、垣根作りにするか、アーチやポールに仕立てるか…目的や好みによって選ぶバラの種類(品種)が違ってきます。 育て方はバラの種類や苗の状態によって多少違ってきます。
もちろん、植える場所の土質や気象条件によっても異なります。しかし、作り方の基本をマスターすればあとは工夫次第で立派な花を咲かせることができます。 自分で育てたバラが咲いたときの喜びは格別です。ここでは関東の平地で育てる場合を想定して基本的な事柄を述べますので、あとは工夫して下さい。
苗の植え付け
0℃近くになるとバラの樹は休眠状態になるので、厳寒期には少々乱暴に扱っても植え痛みはほとんどありません。2年生苗の植え付けや成木の移植は1、2月の寒い時期が適期です。 ポッ卜入りの1年生苗は春になると園芸店やホームセンターの店頭に並ぶようになりますので、できれば6月中旬頃までに植えつけたいものです。バラを植えるところは日当たりや風通しの良い場所が適していますが、条件が多少悪くても管理次第で立派な花を咲かせることができます。庭に植えるときには直径、 深さとも30cm以上の植え穴を掘り、そこへ骨粉、油粕、化成肥料、乾燥牛ふん、堆肥などを入れ、土とよく混ぜ合わせます。化成肥料や牛ふんなどの量は苗の大きさや土の肥沃度によって変えますが、 バラ苗1本当たり牛ふん・堆肥は5リットル、それ以外は各150gを標準と考えて加減します。初心者にはバラ用の配合肥料やボカシ肥料が無難かもしれません。 肥料が直接バラの根に触れないように、庭土を厚さ5cm程戻してから根鉢を崩さないまま植えます。庭土に腐葉土やピートモスを適当に混ぜて根の周りに入れ戻します。 水をたっぷりと与え支柱を立てます。
水やり
冬は土が極度に乾燥しない限り水やりは不要です。夏は土が乾いたと思ったら水を十分与えましょう。庭植えのバラには株元に10リットルのバケツ1杯位、 鉢植えは鉢底から流れ出るまで水をやります。水やりは午前中が理想ですが余り厳密にする必要はありません。なお、梅雨に入る前に株元に敷きわらなどのマルチングをすると乾燥防止と黒点病予防に有効です。施 肥
バラは「肥料食い」で、他の植物にくらべると多量の肥料を必要とします。肥料の分量や時期は樹の状況や土質・気象などによって変えますが、元肥と追肥に分けて施しましょう。元肥はバラが休眠を始めた12月(冬期)に植え付け時に施した肥料とほぼ同じものを株元から30cmほど離れたところに溝を掘って施すか、ばらまいてすき込むようにします。夏にも元肥として冬期の半量位の施肥をします。
追肥は春の芽が伸びる前や、秋の剪定前に化成肥料または配合肥料を株から30cm以上離して円状にまきます。水やりをかねて液肥を千倍程度に薄めたものを施すのも効果的です。
花と枝の処理
つぼみの処理
新苗は翌年以降に立派な花を咲かせるために、1年目に出てくるつぼみは早めに摘み取るようにします。成木でも関東以南の地方では夏期のつぼみは摘み取ってやります。 大輪咲きのバラはわきから出るつぼみは摘み取りますが、中、小輪の品種はそのままにして房咲きにします。
ベイサルシュートの処理
株元から出る太い芽をべイサルシュー卜と言いますが、そのままにしておくと沢山の花がほうき状に咲いて樹を弱らせます。 これを防ぐために50cmほど伸びたら先端10cmを折ります。わき芽が再び伸びてきますから同様に折り取ります。これを秋まで繰り返すようにします。
夏の剪定
8月下旬から9月初めが夏の剪定の適期です。まず、枯れ枝や生育の悪い枝を切除します。次に夏までに伸びた枝の3分の1程度を、高さを整えながら切り戻すようにします。 仕上げは株全体のバランスを考えながら樹型を整えるように剪定します。
冬の剪定
2月の中旬が適期ですが、芽の伸び出す1ヶ月前までに剪定作業を終わるようにします。光や風通しを良くし、丈夫そうな5本前後の枝を盃状になるように整えることを念頭に置いて、 まず、枯れ枝、病気の枝、3年以上の古い枝、鉛筆よりも細い枝などを根元から切り取ります。次に、開花させる枝を切り詰めますが、切る位置は樹高が50cm程度で外側についている芽の5mm程上を斜めに切るようにします。
病害虫の防ぎ方
バラに被害を与える病害虫は種類が多く、致命的なダメージを与えるものも少なくありません。 しかし、防除法がほぼ確立していますのでマニュアルに従って防除作業を確実に行えば誰にでもすてきな花を咲かせることができます。バラのおもな病害虫と防除法は下記の通りです。
黒星病
葉に黒色の斑点が生じ、やがて葉全体が黄色になって落下する。
病兆を認めたら葉は除去・焼却。薬剤としては、サプロール、ダコニール、マネージなど。うどんこ病
芽や若葉、つぼみなどが小麦粉を振りかけたように白くなり葉がよじれる。
ミラネシン水和剤、トリフミン、モレスタンなど。キャンカー(枝枯れ病)
枝に紫褐色の斑点が生じ、やがて枝が枯れる。
発見次第健全部分まで切り詰める。根頭がんしゅ病
根にこぶが生じ、株が次第に弱る。
株を掘り起こして焼却。土も取り替える。
ハダニ
高温、乾燥が続くと葉裏に発生。落葉させる。
オサダン、ニッソランなどを4,5日おきに3回散布。アブラムシ
新芽にむらがって発生する。
オルトラン、スミチオン、ベストガードなどを1週間置きに2回散布。チュウレンジハチの幼虫、シャクトリムシ
葉を食害
スミチオン、アクテリックなどを発生時に数回散布。バラクキバチ
若枝に産卵し、枝先を枯らす。
スミチオン、アクテリックなどを。
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